道案内をする小鳥

小鳥

急な坂道があります。地元の中学生でもその坂道を自転車に乗ったまま上る姿は見たことがありません。

それほど急な坂道なのですが、近所の郵便局やセブンイレブンに出かけるときはこの坂道を通ります。自転車に乗って出かけると、行きは下り坂なので一気に走り抜けるのですが、帰りはとても自転車をこいで上る気にはなれません。自転車を降り、歩道を歩いて坂道を上ります。

もう少しで坂を上りきるというところで、歩道の真ん中をちょんちょんと歩いている小鳥に出会いました。ほんの 2,3 メートルの距離まで近づいても飛び去ることなく、ちょんちょんと私の目の前を歩いてゆきます。まるで、道案内でもしているかのようです。

この辺りの鳥たちは都会の鳥と違いとても警戒心が強いので、少し近づくとすぐに逃げてしまいます。大型の鳥などは100メートルくらい離れていても人間の気配を感じるとすぐに飛び去ってしまうので、近づくことはほとんど不可能です。

ところが、この小鳥は逃げるどころか、明らかに私が近づいているのを意識しながら、一定の距離を保って歩いているのです。田舎の鳥にしては珍しく、私は少し嬉しく思いました。

十数メートルほど一緒に歩いたところで、坂道は山の斜面を登る小道に分かれていました。小鳥は大通りの歩道を外れ、小道の方に歩き始めました。どうも、そのしぐさは私をそちらの方へ誘っているようにも見えました。

そこで、小鳥の道案内にしたがって、私もその小道を進んでみることにしました。自転車をその分岐に置いたままにして、私は小鳥の後を追いました。

小道は山の奥の方に入っていきます。私も中学生くらいのころにこの辺りを歩いた覚えもあるのですが、確かこの先にはテニス部とか軟式野球部とかが使っていた運動場があったような気がします。

私は携帯のカメラを構え、「写真撮らせてね」とか小鳥に話しかけながら後を追いました。
(そのときに実際に撮影したのがこの記事の写真です。)

そして、山道を登りきったところで、小鳥はパタパタとどこかへ飛び去ってしまいました。

そこには記憶に残っているような運動場はなく、林の中にひっそりと、寂びれたゲートボール場のようなものがありました。まるで開発途中で放棄されたかのように手入れされている様子もなく、人気(ひとけ)もまったく感じられません。

小鳥は私をここまで案内したかったのでしょうか?

それ以上の発見は特になく、そのまま私は来た道を引き返し、自転車を押して坂道を上りきると、家に帰りました。

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